日本人成人の平日の座っている時間は世界一長いことをご存じですか?特に長時間労働が問題視される日本では、働く世代に「座りすぎ」の対象となる人が多いのです。40~64歳の日本人を対象に調査したところ、1日の平均的な総座位時間は8~9時間でした。たとえば、デスクワーカーの場合、デスクと昼食時に座っている時間は6~7時間、夕方に会社を出て居酒屋で一杯、帰宅後にテレビやスマホを見る間も座っていればプラス2~3時間、合計8~10時間になります。最近、1日8~9時間以上座っている人は、総死亡のリスクが高まる可能性があることが、先行研究のまとめにより分かってきました。働き世代こそ、ご自身が「どの程度座っているのか」を改めて認識していただきたいと思います。
【プロフィール】
◆岡 浩一朗(おか こういちろう)
早稲田大学スポーツ科学学術院、副学術院長兼スポーツ科学研究科長
1999年に早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程を修了、博士(人間科学)の学位を取得。早稲田大学人間科学部助手、日本学術振興会特別研究員(PD)、東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)介護予防緊急対策室主任を経て、2006年4月、早稲田大学スポーツ科学学術院准教授に着任。2012年4月より現職。専門は、健康行動科学、行動疫学。岡浩一朗オフィシャルWebサイト。ワセダオンライン「『座り過ぎ』が健康寿命を縮める」。